果てない夢のその先へ──
届けたい想いがある限り、パレエドは続く。
GANG PARADE
取材/文:なかしまさおり
INTERVIEW

劇的な再始動発表から、早1年。史上最多のメンバー数と楽曲数で魅せるステージが今、俄然おもしろくなってきたと話題のGANG PARADE。その波瀾万丈すぎる歴史の中で培った“グループとしての強さ、楽しさ”は、いかにして彼女たちの武器となり得たのか。ビーボイスでは月ノウサギとキャ・ノンにインタビュー。4月1日スタート予定の全国ワンマン・ツアーや5月10日にリリース予定の最新アルバム『OUR PARADE』などについても話を訊いた。
──再始動から1年が経ちましたが改めて、どんな1年だったと感じていますか?
キャ・ノン(以下、ノン):私は再始動前からGANG PARADEの曲が大好きで。そこに自分が加入できたこと、その好きな曲をライヴでやれようになったことが、すごく嬉しかったです。もちろん、再始動後も人数が増えたりして、“これからGANG PARADEとして、どんなことができるのか?”を探す作業も必要でしたが、そのためにライヴをどんどん重ねていくのも、逆に楽しくて。この1年間はそんな“嬉しさと楽しさ”を噛み締めながら過ごしました。
月ノウサギ(以下、月ノ):私はたくさんの遊び人(ファンの総称)の皆さんが“GANG PARADE”に戻ったことをすごく喜んでくださっていたのが、本当に嬉しくて。その温かさ、ありがたさを強く感じた1年でした。それにGO TO THE BEDS、PARADISES、それぞれのグループでつけてきた力を“今、GANG PARADEとして活かせているな”と思う瞬間もたくさんあって。今年はそれをさらにパワーアップさせて、皆さんに返していけたらなと思っているところです。
──再始動前にGO TO THE BEDS、PARADISES間で、メンバー総トレードを経験されたことも、今の活動には活かされている?
月ノ:もちろんです。今思えば、このため(GANG PARADE再始動のため)の伏線だったんだなと思いますよね…当時は必死でしたけど。ただ、おかげさまでその時代の曲も全部、GANG PARADEとして引き継いでいくことになったので、持ち曲が今、すごく大変なことになっています(汗)。
──昨年11月にリリースされた配信ベストアルバム『WELCOME TO GANG PARADE(COMPLETE EDITION)』だけでも137曲。でもすでに、年明けのライヴで数曲、新曲が披露されたとも聞いています。
ノン:はい。どんどん大変なことになっています(笑)。
──ただ、プラニメ時代からの曲もそうですが、そうやって、過去を大事にしながらも、グループとしてはちゃんと“最新の形”へと進化を遂げている。そういうところにギャンパレの“強さ”、“楽しさ”があるんだろうなと感じています。
月ノ:ありがとうございます。これは、自分の弟に言われた言葉で、すごく自分でも納得したんですけど、分裂前のGANG PARADEは“ギャング感”が強かったけど、今はめっちゃ“パレード感”が強いよね…って。確かに、前は、オラオラ系というか(笑)、カッコいいけど、ちょっと近寄りがたい雰囲気もあって、ギャング感が前に出ていたような気もするんですよね。でも、今のGANG PARADEは『PARADE GOES ON』とか『シグナル』とか、ハッピーなオーラがめちゃくちゃある曲の中に、さりげなく熱い気持ちがこめられた歌詞が入っていたりして、どちらかというとパレード感の方が前に出てるのかなって。とくに、今のこの13人で歌った時の(ギャング感とパレード感の)バランスっていうのが、すごくいいなと私は思っていて。それが、その“強さ”や“楽しさ”みたいなものに、つながっているのかなと思います。
──GANG PARADE史上、メンバー13人というのは初めてのことですよね?せっかくなので、おふたり以外のメンバーについても少し教えてくださると嬉しいです。まずはヤママチミキさん。
ノン:ミキとはGANG PARADEになるまで、全然関わりがなかったので、最初の方は喋るのも怖かったんですけど(笑)。知っていくうちに、すごく人に寄り添ってくれるというか…ふとした時に近くにいてくれる存在だということが分かって、今ではとても頼りにしています。
月ノ:GANG PARADEって、結構うるさいメンバーが多いんですよね。でも、ミキはわりと無口なほうで。みんなのことを後ろから見つつ、大事なことがあった時にはちゃんと言ってくれる…お父さん的立ち位置のメンバーです。ただ、メンバーカラーが緑なのに、野菜が嫌いでまったく食べない(笑)。
ノン:あ!でも、トウモロコシは食べられるって言ってた。私も結構、野菜は嫌いなので、よくミキと“何が食べられるか勝負”をしています。
──ユメノユアさん。
月ノ:ミキがお父さんだとしたら、ユアはお母さん。スケジュール管理とかもすごく上手で、結構、いろんなことをまとめてくれます。あと、GANG PARADEの曲にはユアが作詞した曲が結構多くて、詞の世界観も幅広いんですよね。例えば、私が大好きな『Happy Lucky Kirakira Lucky』とか、明るくて“遊び場”感がめちゃくちゃあるんですけど、『WE ARE the IDOL』みたいな、すごく人間味のある歌詞も書いてくれて、GANG PARADEの曲に深みを出してくれています。
──キャン・GP・マイカさん。
ノン:マイカは基本的にギャンパレの振り付けを担当してくれてます。マイカが作る振り付けは、すごく踊りやすくて、次に来てほしい振りが必ずくるんですけど、たまに自分たちで振りを考えたりするとき、そこがすごく難しくて、その度に、マイカってホント、すごいんだなっていうのはよく思っています。あと、すごく美人なのに中身は明るいおバカさんっていう(笑)…そのギャップもすごく面白いなと思ってます。
月ノ:ちなみに『シグナル』の振り付けは私とマイカで作りました。13人になって初のシングルだったし、遊園地みたいな曲にしようって言って、途中、メリーゴーランドの振りとかも入れたので、そういうワチャワチャしたおもちゃ箱みたいな雰囲気が伝わったらいいなと思ってます。
──ココ・パーティン・ココさん。
月ノ:ココはもう、見たまんまです。一言でいうなら、ギャンパレの“太陽担当”みたいな子。めーっちゃ明るくて、うるさいです。大体、“ギャンパレがうるさい!”って怒られているときの、半分くらいはココが原因だと思ってもらって構いません(笑)。でも、いつもグループを盛り上げてくれて、みんなを笑顔にしてくれます。歌もすごく上手いです。
──ユイ・ガ・ドクソンさん。
ノン:ドクは私が初めて出会う人種で、すごく変わってる人(笑)。でも、だからこそ、ドクが喋る言葉はすごく楽しくて、自分がお客さんだったら、それ言ってもらえて嬉しいなと思うものがポロッと出てくる。しかも、中身はあんなにヘンなのに、歌声は真っ直ぐでめちゃくちゃ心に響いてくるのがすごいです。
──テラシマユウカさん。
月ノ:ギャンパレでいちばん身長が高いのがユユ(テラシマユウカの愛称)です。それだけにステージ・パフォーマンスもダイナミックで魅力的。映画鑑賞が趣味で、映画のコラムも書いてます。ユユの詞も採用率がすごく高くて、『Period』とかもそうですけど、聴けば聴くほど味が出る繊細な表現の曲が多くて素敵だなと思います。ギャンパレの文学的なエッセンスを持ってる子です。
──キラ・メイさん。
ノン:メイちゃんとはPARADISESで一緒になったんですけど、すごく優しい子だなと思ったのと同時に、見た目に反して、すごく変な子だなと(笑)。私たちライヴでコントもやるんですけど、メイは自ら目立ちたい!変なことしたい!全身タイツが着たい!なんだったらパンストも被りたい!…みたいな感じで、いつも目をキラッキラさせています。
月ノ:ホント、あの目の輝き方はヤバイよね(笑)。でも、メイは演技力もあるし、見た目も声も可愛いので、今後その印象をひっくり返すようなキャラがみんなに浸透していけば、もっともっと面白くなるだろうなとは思ってます。
──チャンベイビーさん。
ノン:ベビとは全く同じオーディション、同じタイミングで、私はPARADISESに、ベビはGO TO THE BEDSに入ったので、WACK全体を見渡しても“同期”と言える唯一の存在。GANG PARADEになる前までは、どちらかというとライバル的な感じで気になる存在だったんですけど、一緒になって初めて、その存在の心強さと、ベビの魅力を近くで見られる喜びに幸せを感じています。
──ナルハワールドさん。
月ノ:ナルハがお休みしたのがGO TO THE BEDSの時で、戻ってきたのはGANG PARADEになってから。でも、分裂前のGANG PARADEにいたナルハより、今の方が生き生きとしていて、すごくナルハらしさが出ているなと感じています。ナルハって、見た目すっごいちっちゃくて天使みたいなビジュアルをしているんですけど、実はちょっと小悪魔っぽいところもあったりするんですよね。そういうナルハのエッセンスが、今のギャンパレでは、より出しやすくなってるような気がするので楽しみです。
──アイナスターさん。
月ノ:今度のアルバムの中に『限界少女』っていう曲があるんですけど、そこでナスの作詞が初めて採用されているので、そのナスっぽい個性を存分に楽しんでもらえたらと思ってます。ナスはパフォーマンスがすごく素直で全力。むちゃくちゃ笑うし、表情も大きいし、全身からお客さんに楽しんでもらおうという気持ちが溢れ出てる。いい意味でギャップをたくさん持ってる子なので、そこにも注目してもらえると嬉しいです。
──カ能セイさん。
ノン:セイは去年のWACK合宿オーディションで入ってきてくれたんですけど、その時は、すごく静かで清楚で大人しい子だと思っていたんです。でも、入ってみたら、めちゃくちゃ明るいギャルで。“すごい最近の子”が入ってきたなーっていうのが第一印象でした(笑)。
月ノ:ホント、根っからの陽キャ。今までにないニュー・ギャル?新世代ギャル?みたいな感じでしたね。
ノン:だからMCとかでもハッピーな言葉がいっぱい口から飛び出して、こっちまで明るい気持ちになれる。“遊び場”には本当にピッタリな子だなと思いますね。
──そんな個性豊かな13人が作り上げた最新アルバム『OUR PARADE』は、まさにギャンパレの新章にふさわしい内容となっています。先ほどの話にも少し出てきた『限界少女』をはじめ、今年の元旦ライヴでも披露していた『INVOKE』、『さよならメトロポリス』に加えて、昨年3月以降にリリースしてきたシングル曲や配信ベスト収録の『Beautiful Days』、『lol』(アニメ「僕とロボコ」のテーマソング)など、全部で14曲。なかでもユニゾンのエモさ際立つ『INVOKE』はミキさんとユアさんが作詞されたそうで、昨日の福岡公演(1/29 DRUM LOGOS)でも披露されていましたね。現時点ではアルバムの詳しい資料がまだ手元にないので、話せる範囲で構いませんが、どんな内容のアルバムになりそうですか?
月ノ:今回は全員で歌っている曲も、もちろん入っているんですけど、初のユニット制度というか、歌唱メンバーが選抜制の楽曲が結構ありまして。1月1日のライヴでは、その中から『限界少女』と『さよならメトロポリス』を披露したんですけど、デスボイス審査を通過した私は(笑)『限界少女』に、ノンは、ちょっと大人な感じの『さよならメトロポリス』に、それぞれ歌で参加しています。それぞれに歌う人数、ダンサーとして加わるメンバーの顔ぶれなんかも違いますので、どんな組み合わせになっているのか、発表されるまでワクワクしながら待っててくれたら嬉しいですね。
──ちなみに『lol』の詞は、月ノさんが書いたショート・バージョンを元に、ミキさん、ユアさん、マイカさん、ユユさん、ノンさんがフルバージョンを共作されたそうで、みなさんの作品への愛がギュッと詰まった曲になっていますね。
月ノ:はい。もともと少年ジャンプが大好きで、そこで連載されているロボコも大好きで読んでいたので、アニメのタイアップが決まったと聞いた時は本当に嬉しかったです。もともと5分尺(の番組)なので、オープニングも何もないというところから、“もし、オープニングがあったら…”と自分なりに一生懸命イメージを膨らませながら、楽しく書かせていただきました。ありがたいことに、ショートバージョンのパートで私の詞が採用されて、本当に夢が叶った瞬間でした。
ノン:ただフル尺の方はちょっと特殊で。その月ノちゃんの書いた詞の“続きをみんなで考えて書く”という形で進めていったので、少し難しかったです。私は2サビのラストを書かせてもらったんですけど、曲自体がひとつの物語っぽかったので、そのクライマックスに向かう感じで書いていこうと思って書きました。
──アルバムには入っていませんが『MELT』(『Priority』カップリング曲)はノンさんが書いた歌詞です。他のメンバーが書く歌詞とは、また違った言語感覚が感じられて、もしかしたら、ものすごい読書家なのかな?とも思っています。
ノン:いえ(笑)。読書は少しするくらいで、特に好きなわけではないです。どちらかというと、文章を書くのが好きで、去年もずっと何かしら書いてばっかりでしたね。
──書くのは小さい頃から?
ノン:いや、それが、ごく最近なんです。実は高校の時の国語の先生が、すごく面白い先生で。他の授業は全然聞いてなかったんですけど、その先生の授業だけは、めちゃくちゃ真剣に聞いていて。多分、その影響もあるのかなと思ってます。
──今後、曲作りをする上で挑戦してみたいことなどはありますか?
月ノ:そうですね…これは、まだメジャーデビューする前の頃の話なんですけど、実は作曲もたまに挑戦させていただいたりしてたんですよね。と言っても、私自身は曲作りがすごく苦手で、当時も全然、作れてはいなかったんですけど。また機会があれば、そういう“自分たちでメロディーを作る挑戦”みたいなことも、やってみたいなとは思ってます。それこそ今は13人のいろんな感性を持ったメンバーがいますし、もしかしたら、ものすごい名曲を作る子だっているかもしれないじゃないですか(笑)。そう思うとすごく楽しみだなって。
──さて、そんなアルバムを引っ提げて、4月1日からは全国10都市を巡るワンマンツアーがいよいよスタートします。とくに福岡では、会場がZepp Fukuokaへとスケール・アップし、より自由度の高いステージ・パフォーマンスが期待できそうです。今から楽しみに待っている福岡、九州の“遊び人”の皆さんへ、お二人から最後に一言ずつお願いできればと思います。
ノン:普段は東京で活動しているので、なかなか頻繁には福岡まで会いに来ることができません。でも、その分、会えた時の嬉しさだったり、喜びだったりというのはすごく大きくて、いつも助けられています。今回のツアーも、私たち自身、もっともっとパワーアップして、楽しい“遊び場”を届けられるよう成長し続けていきますので、よかったらライヴにも遊びに来てくれたら嬉しいです。
月ノ:今は振り付けなど、4月のツアーに向けた準備をたくさんしているところです。なかなか福岡には来ることができませんが、是非、13人でZepp Fukuokaに立つ姿を見てもらえたら嬉しいです。来てくれたら、一人残らず幸せにします(笑)。
──ありがとうございました。
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LIVE INFORMATION
PROFILE
GANG PARADE
“みんなの遊び場”をコンセプトに活動するアイドル・グループ。2014年、前身ユニット結成。2度の改名とメンバーの増減を経て、2019年4月にシングル『ブランニューパレード』にてメジャーデビュー。2020年からはGO TO THE BEDSとPARADISES、2つのグループへと分裂して活動を行い、2022年1月に再びGANG PARADEとして集結。現メンバーはヤママチミキ、ユメノユア、キャン・GP・マイカ、ココ・パーティン・ココ、テラシマユウカ、ユイ・ガ・ドクソン、月ノウサギ、キラ・メイ、チャンベイビー、キャ・ノン、ナルハワールド、アイナスター、カ能セイの13人。「GANG PARADEの三カ条」として「1. ファンの総称は遊び人」「2. ライヴ中の写真、動画撮影はどちらもOK」「3. ダイブ、リフト、サーフ、組体操などの危険行為は禁止」を掲げている。
公式Twitter
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