ライヴでは、再会の喜び以上のものを残していくよ。
アルルカン
取材/文:荒木英喜
INTERVIEW
8月25日にニュー・シングル『世界の終わりと夜明け前』と『サイレン』の2タイトルを同時リリース。そして、8月28日からは8th ANNIVERSARY TOUR「世界の終わりと夜明け前」をスタートさせるアルルカン。
コロナ下においてもその歩みを止めず、前進し続けた彼らは新たに誕生した2曲とライヴツアーで何を伝えようとしているのか?そこに込めた思いを語ってもらった。
──8月25日にニュー・シングル『世界の終わりと夜明け前』と『サイレン』の2タイトルを同時リリースされます。今回どのような意図で“同時リリース”という形になったのでしょうか?
暁:どちらか1曲ではなく、対(つい)で見て・聴いて欲しかった。そうすることで(曲やバンドとしての)幅も楽しめるし、アルルカンは動いてるぞ!って感じがしませんか(笑)。今出せるベストな形がこれだったと思う。
──『世界の終わりと夜明け前』と『サイレン』。それぞれに込められた思いを教えてください。
暁:正解なんてないことが浮き彫りになった今の世界で、「自分で決めて覚悟を持って一歩踏み出してみる。そうやって初めて見えた光が、あやふやな僕の日々の中にあったよ」って伝えたかったのが『世界の終わりと夜明け前』。その一方で、どこにも行けずにただ心の中でどんどん膨らんでいく気持ちがあって。ただその苦しみは愛しさとセットだから、都合良く切り離すことも出来ない。会いたいけど会えない、そんな気持ちで塗り潰されていくのが『サイレン』です。
──『世界の終わりと夜明け前』は、コロナ下の厳しい現状で儚いながらも「希望を持てる」「前を向いて進む勇気」を感じとれる曲でした。曲もポップでメロディアスな部分もあり、さらにライヴでの一体感が生まれそうな曲でもありますが、曲作りで意識したことはありますか?
奈緒:『世界の終わりと夜明け前』は、このご時世や状況で曇った世の中をパッと晴々させたいという意味を込めて作りました。まさに感じ取ってもらったままの気持ちで曲作り、アレンジ共意識してます。辛くても苦しくても前を向いて歩いていくしかない、そんな人達を大丈夫って支えてあげられるような曲になったと思います。
──『サイレン』は『世界の終わりと夜明け前』と同時進行の制作の中で生まれたということですが、どんなことがきっかけで生まれたのでしょうか?
祥平:このコロナ禍で満足に活動できない中、ポジティブに大きな変化が起きるわけでもなく、ただただ時間だけが過ぎていくことに対しての焦燥感、それでも希望に向かって手を伸ばしたい熱い思いを曲にしました。
──コロナ下でもライヴを続けられています。観客は声を出せない中、工夫していることはありますか?3〜6月で行われた「The laughing man」ツアーはどんな雰囲気になりましたか?
暁:大事な時に返事を求めないようにしました。黙ってて良いし、返せなくたって良いんです。俺が言ってることが伝われば。ただ、それでも求め合えていると感じられるくらい心に残る良いツアーでした。
來堵:こんな状況だからこそ変わらない熱量で気持ちの強さを体で表していきました。伝えていったことが表情や動きを通して答えが見えた事もうれしかったです。表現や伝え方は変わらざるをえなかったこともありますが、ライヴとしては変わらないかそれ以上伝えたい気持ちを伝えられ、過去最高にいい雰囲気のツアーになりました。
奈緒:とにかく眼を見る、声の出せない分、体でも伝わることは伝わるんですが、それよりも何を感じてくれてるのかをステージで感じる為にファンの眼を見ていました。
祥平:声を拍手で代用したり楽しみ方はお客さんと共に模索した印象はあります。声が出せない分、冷静にライヴを観れる部分もあるし1曲1曲に込めた思いや熱が届くように丁寧に演奏しました。
堕門:声を出せない分、表情や動きでお客さんの思いを感じ取れるようになった気がします。ドラムはステージの一番後ろなのですが、意外としっかり見えてるんですよ!僕は声が出せないお客さんの分までしっかりと叫んでいます。おかげでこのツアーを回って喉が強くなった気がします(笑)。
──今年8周年を迎えますが、結成から現在までを振り返ってみて、改めてどのように感じられますか?またバンドとして今はどんな思いが強いでしょうか?
暁:生きてて夢中になったことって今までなかったから、あっという間でしたね。ここからもっと夢中になりたい。動けなくなる時が来るまで。
來堵:あっという間だなという感覚です。色んな波はありましたが、コロナ禍がやってきて形が変わったのを0からのスタートと捉えるとまた初心のような心持ちが強いです。ここからまた突き進みます。
奈緒:もう8年か〜といった感じです(笑)。まだまだ先は長いし辛い事も多いですが気を抜かず、出来るだけ長く続けていきたいなと思っています。
祥平:始動したのが昨日のように思えるくらい、あっという間ですね。それだけ濃い時間を過ごせたり充実した活動ができてたということです。
堕門:始まりがあれば終わりがあるという言葉がありますが、終わりなんて来ないんじゃないかと思っている自分がいます(笑)。長いようであっという間に感じる中、その間に色んな事がありましたが根本は変わらず沢山の人に僕達アルルカンを届けたいです。
──8月28日の新宿BLAZEから8th ANNIVERSARY TOUR「世界の終わりと夜明け前」がスタートします。どんなツアーになりそうですか?福岡公演は9月7日(火)福岡BEAT STATIONです。福岡や九州のファンに伝えたいメッセージなどを教えてください。
暁:読んでくれてありがとう。やっと福岡に行けます。待たせた分、カッコいいとこ観せに行くね。改めて、君の人生を狂わせるので気持ち溜めて生きててください。生きて会おう。
來堵:やっといけるなってのが1番強いです。蓄えた思いを超えるくらいバンドは強くなってまた行けることになりました。あと少し!期待して待っていてください。
奈緒:どんなツアーになるか正直未知数ですけど、やっと九州のファンのみんなに会えると思うと嬉しくてしょうがないです。ずっと会えなかった分の想いをお互いにぶつけ合いましょう!!待ってます!!
祥平:やっと帰って来れる。でも、再会の喜び以上のもの残していくよ。これから来る未来に強く踏み出すために。皆に会えるのを楽しみにしてます!
堕門:毎ツアー回るごとに新鮮で、今回のツアーもとても新鮮かつバンドにとっても観客のみなさんにとっても間違いなく良いツアーになるな!と確信し、とても意気込んでます!やっと行ける福岡で思い切ってライヴするので、楽しみにしていてください。
- SHARE
LIVE INFORMATION
PROFILE
アルルカン
暁(Vo)、奈緒(Gt)、來堵(Gt)、祥平(Ba)、堕門(Dr)によって2013年に結成・始動。コンセプトは「激しさと切なさの融合」。2014年1月リリースの1stマキシシングル『Eclipse』は即ソールドアウトし、彼らの注目度の高さを知らしめる。続く2nd、3rdも完全ソールドアウト。同時にライヴを重ねて着実にファンを獲得していく。2015年、初のワンマン・ツアーを敢行し、ファイナルを渋谷公会堂で開催。2020年10月には結成7周年を記念するワンマンライヴを渋谷公会堂にて有観客ライヴと生配信ライヴで同時開催。2021年3月から有観客でのツアー「The laughing man」を敢行した。そしてこの秋、新曲2曲を携えた全国ツアーを行う。バンド名はフランス語で「ピエロ」を意味する。