『0815』[DISC REVIEW]

RUNG HYANG

『0815』[DISC REVIEW]

同じ地平に立って、はじめよう。
哀悼を澄んだバラードにのせて。

0815。多くの戦後生まれにとって、記号のように実体のないこの日、失われたいのち、生き抜いたいのちが確かに在った。日本にとっては「敗戦の日」。韓国や朝鮮にとっては「光復節」と呼ばれる解放の日。光に影があるように、喜びの裏には続いてきた哀しみが存在することを歴史は語りかける。かつて“近くて遠い”と言われた私たちは、多様なカルチャーの行き来によって育んだ共感や理解のもと、身近な存在として互いを必要としているように思える。ならば、愛や平和を尊む同じ地平に立って自他を俯瞰し、気持ちを分かち合ってみよう。「ほんのすこしだけ想像してみて」。在日コリアン3世の彼女は、哀悼を澄んだバラードにのせて、そう呼びかける。(前田亜礼)

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RUNG HYANG