『少年少女』[DISC REVIEW]
銀杏BOYZ
COLUMN
![『少年少女』[DISC REVIEW]](https://beavoiceweb.com/wp-content/uploads/2021/07/gnbz_shonenshojyo.jpg)
銀杏史上、最もポップでエモい
ボーイ・ミーツ・ガールの大傑作。
いつもと変わらぬ退屈な夏休み。たまたま学校に集まっていた中学生36人が、突然、建物ごと異次元へと放り出された。理不尽な現実に憤る者、悲観する者、楽しむ者…それぞれに反応は違うが、峯田には、きっとわかっていたのだと思う。その誰もが<きれいなひとりぼっちたち>であるということを──。漫画家・イラストレーターとしてカリスマ的な人気を誇る江口寿史がキャラクター原案を手がけたオリジナルTVアニメ『Sonny Boy』。その主題歌として書き下ろされたのが『少年少女』だ。しゅわしゅわと湧き立つような疾走感あふれるサウンドに乗せ、“ながい渡り廊下”“七色の傘”“アイスクリームとけた屋上”など、次々と解き放たれていく生命の気泡。もちろん、銀杏には他にも数多くのボーイ・ミーツ・ガールの名作があることは重々承知の上で──それでも、2020〜2021年の失われた夏、その刹那性という意味においては、この曲を超えるエモさを私は知らない。そういう意味でもより広く、より多くの“少年少女たち”(および“かつて少年少女だった大人たち”)へ響いてほしい1曲だ。(なかしまさおり)
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