唯一無比のエンターテインメント・チームで魅せる
“山崎育三郎、36年間”の物語。

山崎育三郎

取材/文:なかしまさおり

唯一無比のエンターテインメント・チームで魅せる <br>“山崎育三郎、36年間”の物語。

12歳でミュージカルデビュー、24歳で帝国劇場初主演。振り返れば、人生の大きな節目は、いつも“寅年”にあったという山崎育三郎。36歳となった今年、“これまでの人生の集大成”と位置付ける最新ツアー<ROUTE 36>を開催する。“こんな時代だからこそ直接伝えたい想いがある”──そんなツアーの開幕を控えた本人に直接、話を訊いた。


──昨年も本誌のインタビュー以降は、甲子園開会式での歌唱をはじめ、トーク・バラエティ番組のMC、ナレーション、音楽番組など、役者以外のジャンルでも八面六臂の大活躍で、相変わらずお忙しそうでしたね。

△『栄冠は君に輝く』

「ありがとうございます。おかげさまで僕のことを知ってくださるきっかけも、さらに広がってきて、最近はディズニーの実写映画『美女と野獣』の声優で好きになりましたとか、劇場版名探偵コナン『紺青の拳』で好きになりました、中には『しゃべくり007』のゲスト出演で(ファンになった)、とおっしゃる方もいて、本当に驚くばかりです。ただ、自分としては、何の仕事をするにしても、ジャンルが違うだけで、そこに向き合う根本的な想いは何も変わらないかなと思っています。基本的には“舞台で育った”というのが僕の中のベースなので、常に“自分の目の前(=今やってる仕事の先)には、お客様がいる”という感覚で、どんな仕事であっても、それを楽しみにしてくださっている方々がいる限り、どう楽しんでもらうか?どう自分を面白がってもらうか?だけを考えてやっているという感じです」

△山崎育三郎が歌う!映画『美女と野獣』プレミアム吹替版より新曲『ひそかな夢』(シネマトゥディ)

──例えば、多くのアーティストが“デビュー○周年”、“結成△年”といった区切りを節目とする中で、育三郎さんは今年1月36歳を迎えられて、12歳、24歳…という節目の年に、自身の大きな“岐路”や“作品との出会い”があったとコメントされていました。人生60年で、ひと回り(還暦)と考えれば、なるほど…と腑に落ちる気がしました。

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「それこそ、目標だった朝ドラや大河ドラマへの出演だけでなく、一野球少年としても、憧れのイチローさんの前で、国歌を歌わせていただいたりして、いろいろな夢が叶いました。それで、自分の中では(36歳で)“第1章”が終わって、ここからは“第2章”が始まるんだという感覚がすごくあって。ここで一度、自分の人生を振り返って、その“集大成”となる作品が作れたらいいなと思いました」


「やっぱり今、コンサートをやっていて一番つらいのは、お客さんが声を出せないということなんです。これまでは立ち上がってワーッと騒いだり、コール&レスポンスをしたりが普通だったんですけど、どれもできない。だとしたら、僕らは何をすべきなのか?と考えて。それこそ“座って見ながら楽しめる”もの、“声を出さなくてもみんなが楽しめる”ミュージカルや演劇みたいなコンサートをやるべきなんじゃないか、というところに行き着きました。そのための“物語”───もちろん、さっきお話ししたように、僕のことを知ってくださるきっかけも、皆さん本当にバラバラなので、その皆さん全員を幸せにするためにも、なにか“みんなで共有できる物語”があればいいなということで、“僕の36年間の歴史”をひとつの物語として、コンサートの中で伝えていくのはどうだろうということになりました」


「当然、そこには僕の生い立ちから現在までの中で、僕が触れてきた音楽、歌ってきた歌というのも含まれていますし、僕のコンサートに初めて来られる方にもすごく分かりやすくなっていると思います。見終わった後に、みんなが“あぁ、山崎育三郎は36年間、こうやって生きてきたんだな。こういう想いを抱えていたんだな”と、思ってくれたら嬉しいですね」


──今回は国内外でご活躍中の人形劇俳優・平 常(たいら じょう)さんとのコラボレーションも見どころの一つと聞いています。


「そうですね。皆さん、人形劇というと、どうしても子ども向けのパペットをイメージされる方が多いと思うんですけど、彼の場合、1000人規模の劇場で、たった一人、10何役を演じ分けながらパフォーマンスするという独自のスタイルなんです。今回は映像となりますが、ストーリーテラーのような形で入っていただいて、本当に素晴らしい演出になっています。それこそ、僕はもう10数年前からずっと、この方と共演したいと思い続けていたので、今回はそれが叶ったというのも嬉しかったですね」

△テレビ東京『人間交差点』#151──人形劇俳優・平常。

──そんな人形劇独特の世界観と、育三郎さんが得意とするミュージカル的な世界観、それが、どんな形で交錯していくのか、非常に楽しみです。


「今回のために特別に作った人形があるのですが、彼はその人形を使って、僕の成長物語を時代ごとに演じ分けていきます。その経過の中で、僕らは、人生の節目に出会った曲、その時代に歌っていた曲など、とにかくたくさん披露していく予定です。もっと言えば、今回のツアーのために作ったオリジナルの新曲などもやる予定なので、是非、楽しみにしていてほしいと思います。それに…実は今回(そうした曲をステージ上でいっしょに担う)パフォーマー・チームの4人がいるんですけど、ダンスやコーラスといった要素以外にも、お芝居や歌……セリフやちょっとしたソロ・パートなどもやっていただく予定で、4人にとっては負担量も大きくて大変だとは思いますが是非、その辺りにも注目していただけたらなと思ってます」


──今回のツアーのテーマカラーは“ターコイズグリーン”。その鮮やかな色合いが、ロゴやグッズにおいても一際目を引いていますが。


「実は以前、その色の持つ意味を調べた時に、“情熱”とか“行動力”という言葉が出てきて、いいなと思って。僕自身、いろんなジャンル、新しいチャレンジをしていく時に“行動力”がすべてだと思っています。そのためにも、歌が好きで歌いたい!と思った、あの若き日の“情熱”をずっと忘れずに持ち続けていたいなと思っているので、この色をテーマカラーにしました。言ってしまえば、ずっとワクワクしていたい=ずっと子どもでいたい、ということになるんでしょうけど(笑)、それこそが自分が生きていく上での大切なエネルギーなので、絶やさないようにしたいと思っています」


「あとは、そのテーマカラーで衣装もね、今回はバンドメンバーからパフォーマーまで、作って揃えたいなと思ってます。もちろん、デザインは、それぞれの個性に合わせたものになる予定ですが、そういった部分も含めて“カンパニー”、ミュージカル劇団のような“チームで挑んでいくスタイル”のツアーになると思います」


──今回のツアーは過去最大規模の全国17都市18公演です。初めて行かれる場所も多いのではないでしょうか?


「そうですね。ミュージカルのお仕事だけをやっていた時は、東京、名古屋、大阪、福岡…それ以外には行く機会があまりなかったので、単純に、これだけの場所に行ってコンサートができるということ自体、すごくありがたいなと思っています。九州で言えば長崎は初めて。いろんな場所でたくさんの皆さんにお会いできるのが楽しみです」


「ちなみに、タイトルの<ROUTE 36>には、“36歳”のほかにも、“育三郎=1936(イクサブロー)”の“36(サブロー)”がかかっていて、そのロゴをよ〜く見ていただくと分かるのですが、それ自体が“すごろく”みたいになっているんです」


https://www.ken-on.co.jp/route36/goods/
△ペンライトのほか、自身編集によるパンフレットやHELLO KITTYとのコラボグッズ(各会場別のご当地デザインあり)なども。


──確かに!言われてみたら、すごろくのマス目になっていますね。


「で、このマス目が実は、1から36まで、36個あって、僕の人生。つまり<ROUTE 36>ということで、その人生をすごろくのように進んで行く=旅をしながらみんなで共有していく…という構成になっています」


──なるほど!


「もちろん、その人生のすごろくの中には、昔から知ってくださっているファンの方ほど“それ知ってるよ”というエピソードも多いかもしれません。でも、ミュージカルでも、そうじゃないですか(笑)。内容も曲も、みんなが知ってて見に来てるのに、それでも感動するっていう。そういう意味では、皆さんが知っている育三郎の物語を、どのようなアプローチで魅せていくのか。そこを楽しんでもらえたらなと思います」


──では最後に、コンサートを心待ちにしている皆さんにメッセージを。


「いろんなお仕事をさせてもらっている僕ですが、やっぱり舞台の上が一番好きです。このライヴ感、生のステージの魅力というのは、昔もこれからも、絶対に画面越しでは伝えられない、唯一変わることのないエンターテインメントだと思っています。そんな一番大好きな場所で、その日だけの時間を皆さんと過ごせることを楽しみにしています。声を出さなくても楽しめる内容にしていますので、是非、ペンライトを片手に(笑)、会場で僕の人生を一緒に体感していただければと思います」

△最新シングル『誰が為』
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LIVE INFORMATION

山崎育三郎
LIVE TOUR 2022 -ROUTE 36-

2022年4月30日(土)
福岡サンパレスホテル&ホール
2022年5月1日(日)
長崎ブリックホール
■Starring
山崎 育三郎
■Chorus & Dancers
小南 竜平 / 鈴木 サアヤ / 高原 紳輔 / 平山 ひかる
■Band Menbers
宗本 康兵(音楽監督 / ピアノ)
門馬 由哉(ギター)
安達 貴史(ベース)
前田 雄吾(マニピュレーター / キーボード)
髭白 健(ドラム)
竜馬(ヴァイオリン)
竹上 良成(サックス)
吉澤 達彦(トランペット)
■人形劇(映像) / 脚本
平 常(たいら じょう)

PROFILE

山崎育三郎

1986年1月18日生まれ、東京都出身。1998年、12歳でミュージカル『フラワー』の主演・初舞台を踏んだ後、アメリカへの留学経験などを経て、2007年、21歳でミュージカル『レ・ミゼラブル』のマリウス役に抜擢。以来『ロミオ&ジュリエット』『ミス・サイゴン』『レディ・ベス』など、名だたる作品に多数出演。ミュージカル界を牽引する“プリンス”として、多くのファンを魅了し続けている。ちなみに、この秋にはファン待望の『エリザベート』の上演が決定!10月9日〜11月27日東京・帝国劇場の舞台に“黄泉の帝王・トート”として登場予定。

□トーク・バラエティ番組『おしゃれクリップ』
□ラジオ番組『山崎育三郎の I AM 1936』
□with online 対談連載『はなうたまじり』